その2は、VELZY BANJO,
このバンジョー、貴重な板なんです。
オリジナルから数十年後、生みの親のデイル・ベルジー自身の手によってよみがえったその時のそのもの。
そしてそれからさらに15年以上経った今年、そのバンジョーもリッチ・パベル・シェイプでよみがえりました。
これからは佐藤英進シェイプのJAPAN EDITION BANJOも製作されることになります。
見て、触って、ライドして、それが今回英進のミッションです。
古くからのVELZYファンはご存知のように、個性的なアウトラインはテール寄りにほどこされた逆ウイングのようなでっぱりが一目で分かる特徴。
これが抵抗になるんじゃないかと思いがちなんだけど、これ、まったく抵抗になるどころかバンジョーはクラシックの中でも速い板のクラス。
デイルはバンジョーをよみがえらせるにあたって、この特徴を利用したいくつかの機能性をアップデートしました。
単なるクラシックとかモダンとかの境界線を軽く超えたデザイン発想は、サーフボードの歴史の中でもデイル・ベルジーはキング。
デイルについてはよくリッチとも話すのですが、ちなみにそのリッチ自身も3Dを超えたデザイナーだから面白いもんです。
この逆ウイングの後ろ、レールはローレールに変化し、そのテールエリアはでかいプレーニングパネルにされているので、なにしろテイクオフから走りまでテールエリアのプレーンによる速さに驚きます。
大きめなラインのカービングでは普通のレールを持つ板を操作するのと感覚は変わりませんが、ちょっとクイックな弧のターンではこの逆ウイングがたーンのきっかけと支点として作用して以外以上にレスポンスします。
例え小さな波でもトップ・ムーブが軽くて楽しい。
ダウンザラインから少しラインを下げた写真を見てくださいね、バンプとバンプより後ろのデッキが見えています。
明確なターン操作をするともちろんテールエリアのデッキは水の中、そしてそのボトムはレールとコンビでプレーンして違う速さを生みます。
その片方の写真では、ダウンザラインを抜けてきたトラックから瞬時に板が下を向いているのが分かりますね。しかもそれは速さが落ちていないのも分かります。
速いんです!、バンジョー。
ノーズライドはどうなの?、と思うでしょ?
いいんですよ、これ、すごく。で、速い。
だから、止めて上げる式のノーズライダー達とはぜんぜん違うフィーリング。速いセクションほど威力を発揮します。
その秘密は、逆ウイングから後ろの、今度はデッキ側のレールに仕込まれたチャンネル。
小さなセクションでのノーズライドの写真、当たり前ですがここではテールエリアの多くは波のトップのくずれる水の中にあります。
そのときレールに仕込まれたチャンネルがまさに、デッキに乗ってきてテールを抑える役割の水の流れの水路になります。
ライダーはまるでテールが水にはさまれたような感覚を後ろ足に感じるんです。
そのボトムで速く、レールは水を抜きながらその水そのものではさむ、という仕掛けが速い走りのままのノーズライドを生みますよ。
VELZYの豊かなクラシック・フィーリングと時代のどこにも属さないサーフデザインの融合。
それが、VELZY BANJOです。
今回のライディングリポートでは秘蔵のVフィンをセットしました。
これがまた面白いだけでなく、たいへん機能的なフィンですが、コイツの話はまた今度。
リッチ・パベル・シェイプのVELZY BANJOが巻き上がりを待っています、お楽しみに!
写真協力 tomoatsuphotogallery