



ファンタスティック・アシッドのトリスタン・モースは彼のファミリーと一緒にUSシェイピングツアー その出発前に発送しておいてくれた、ここ数ヶ月分のファンタスティック・アシッド新聞が届きました。
以前もお伝えしたこの新聞、月一発行のインディペンデントなものでSNSなどのネットでの発信をスローダウンして、トリスタンはこの新聞での発信にトライしています。
もちろん広告などは無いし、すべて自前記事、写真も自身や家族友人から提供されるものを中心に紙面を作ります。
各号で掲載する記事には常にテーマがあり、トリスタンらしい幅広い芸術への純粋な欲求と探究心から選ばれます。もちろんサーフィンとサーフボードに関わる主題を多く扱い、それらも同じくトリスタンらしい自由で宇宙的なイメージに溢れていて、かつ大事なこととしてトリスタン自身が身につけた現実的なデザインと技術との調和整合していること。
これに私たちの多くが刺激されるのは、イメージの拡張。
何の力を借りる必要も無いし、アカデミックな環境や証明書も要らない。それ、サーフィンそのものだし、つまり平地での美の学び。
それを美学と言うのかしらね。
今回届いた5号分はまたどれも素晴らしい。
サーフデザインのアプローチに関わる記事などはトリスタンらしい拡張性のある置き換えが用いられるが、それらはいつものように一見すると難解なようでありながらむしろイメージとして分かりやすい。
ノースショアからビアリッツに居を移したトム・パリッシュは、その選択を象徴するようにコマーシャル原理に距離を置く態度をラップトップを手に収めない表現で表す。
放り投げるのではなく手に収めないのは、世の中が結果的に押し付けてくるような物事に対する明確だけどしなやかな姿勢に見えます。
トム・パリッシュはサーフィンの世界にノースショアを印すことになる過程に欠かせない人で、同じくその時を一緒にしたジェフ・ハックマンもビアリッツに腰を据えている。
その二人がトリスタンと意気投合し彼のグラスワークの手を借りてサーフボード創作をしているのは興味深く、そして納得させられる。

その話の流れの先にはサーフボードが大量生産されることへの疑問が取り上げられている。
アジアの某所などの現場写真は話で聞かされるよりも、ある種ショッキングな光景だと思う。
そしてそのような板を手にしてサーフィンする人たちは今やおそらく多数派で、メンタリティと海での状況は無関係かどうか。
それにしてもモード、何階だった昔を思うと、今だったら感じるまんまなんだけどね。
この新聞、直接のサブスクで日本にも届けてくれます。興味のある方はエムズに聞いていただけばガイドします。
















