

あれは2年前、例年の来日製作のためにウチにやってきたトリスタン、この年は一家揃って日本に行きたいってんでたまたまウチの裏の空き家を借りることができてトリスタンと奥さんのマリーン、そして二人の娘たち、4人でひと月ちょっとの滞在。
サーフボード作りはもちろん、ショップで小さなムービーのスクリーニング・イベントをやったり、マリーンの主宰するドルフィンラブ・スイムウエアーのポップアップをやったり、休みの日には4人揃ってあちらこちらへ出かけまくったり。
トリスタンは朝早く山王ファクトリーに出かけて早くから仕事をこなして夕方には帰宅して、毎日のようにマリーンや娘たちと近くの片瀬西浜や東浜に行っちゃあスモールサーフ。
そのときにも紹介した話なので覚えてくれている人もいると思いますが、彼らが日本に到着する少し前のある日に彼らの家にお遊びのためのスポンジボードとボディボードを置いておきました。
するってえとトリスタン、ウチは私とマリーンはもちろん子供たちもスポンジボードでは絶対波乗りしないんだ、だからすまないけど何か"サーフボード"を貸してくれない?、って言うじゃないの。
この意味を分かる人は分かる。
私はもう嬉しくなってもちろん速攻で板を交換。
彼らはいつも私の貸した板をそれぞれ持ってサーフ、サーフ。
あのあたりはスクールとかボードロッカーの人たちがそういうものやああいうもので、それはそれでコミュニティしている横で、一家はサーフ、サーフ。
その年は二人の娘たちはどちらもトリスタンにテールを押してもらって器用にライドを繰り返してました。
トリスタンはいつもいろんな写真や動画を私に送ってくれるんだけど、その中にはたくさんファミリーものがあって最近は娘たちの上達ぶりも見てきました。

で、今日届いた写真と動画には、お姉ちゃんのルイーズはついに美しいターンをしていて、妹のジャンヌは少しでも大きい波にプッシュしてもらってる。
娘たちの板はね、トリスタンが作るんだけど、シェイプやグラスプロセスのどこかを必ずそれぞれ自分たちの手で作業する。
それはもちろんトリスタンの手でクリーンナップされて仕上げられるから極上のサーフボードであることは、家業ゆえの恵まれた環境ではあるものの、それだけでなくサーファーとその一家の矜持そのもの。
ウチの近くのあの辺りにはスクールやボードロッカーのビーチストアに通って"サーフィンする"人たちがたくさんいて、以前からそれを知って見ているトリスタンはついに今年のある日に私と一緒に浜を見ていて、NO Culture,,,とつぶやいて、世界中でこういうことが起きてるよね、と。
好き嫌い、それだけ?、いいの悪いのは話の外、多様性で説明できることでも無し、まして近年の決めゼリフ・"時代"で決まりがつくわけがない。
かっこいい!、があるのなら、ダサい!、のがあるかもしれない。
両方のその先に、カルチャー。
















