ファンタスティック・アシッドのストック
2025.07.05

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すでにお伝えしているように、今年はベーシックなクリア&サンドフィニッシュのバージョンを加えて、そろそろ色々なモデル・サイズが出来上がりエムズのストック・ラックに入っています。

さらにここ、ものすごく大事なとこなのでさらにお伝えしたいところ。
このようなクリア・サンドフィニッシュはシンプルで飽きのこない潔い見た目が魅力ですが、サーフボードと製作クオリティに詳しくないと、本当のクオリティの差を見破るのはとても難しいものです。
なんたって見た目がシンプルですから。

例えばカラーには作者・作り手のセンスが現れるし、ポリッシュでは一目瞭然にできの良し悪しが丸見えです。
ところがクリア&サンドではたくさんのアラが隠れてしまいます。
だけでなく、グラスそのもののクオリティにもビルダーやファクトリーの技・腕のとても大きな差が隠れてしまいます。

ちょうど最近、業界の知人との話題で同じようなフィニッシュで価格を抑えた板の製作事情の話になりました。
ショートボード界では随分前からとっても安い価格でグラッシングするファクトリーに依頼して、名前の通ったブランドなら大きな利益率を、そうじゃないブランドでは安売りボードを、といったように重宝されるファクトリーが知られています。
ストレートに言って、私たちのサーフボード造りには無縁のメンタリティですので、単に業界の中でも異世界です。
ところが最近はその指向がショートボードだけではなくなってきました。

みなさんご存知のようにコロナ禍と世界各地での戦争拡大以降、世の中のおそらくほとんどの品物、ですから当然サーフボードのマテリアルにも満遍なく価格上昇が起きています。
それによるコスト上昇と価格上昇は基本的にはどんな製品にも及びますが、そこにもクオリティの差がしっかりありますし、まして製作現場のクオリティの差はそれ以上に大きいものです。

今日お伝えしている、クリア・サンドフィニッシュにおいても、そこには安いマテリアル&安い仕事で安い製品を仕立てるという仕組みと、マテリアルも仕事も最高のクオリティを保った上でプロセスのシンプル化で得られる当然の結果として抑えられた価格にするという仕組み、その両方が隠れているのです。

エムズは北から遠い南まで遠方のお客さんに可愛がったいただいていますが、隣近所ではないけれど少しドライブすればいけるよ、というくらいのエリアにお住まいの方でしたら、ぜひいらしていただいて板を触ってみてください。

歴史を積み上げてきた、サーフボード・ビルダーが本気で大事にしてきた技と心で作り上げたサーフボードをご覧いただけます。
そういうものを知って、選んでいただきたいと思います。