アシッドのトリスタンは1本の板をデザイン・シェイプからフィニッシュまで、すべてのプロセスを彼自身の高度な技で創り上げます。
類を見ない豊富なカーブと大胆でディープなハルから始まり、世界的にもトップステージと評価されるグラスワークはグラスラミネーションの含浸と凝着の信頼性の高さに、カラーミックスひとつ取ってもニュアンスに富んだ雰囲気で今ではオリジンの地のビルダー達のにも羨望されます。
この板、トーションテールの機能的なコンストラクションはすでに紹介しましたが、デッキにはトリスタン独特のレジンパネルをフリースタイルで、というリクエスト。
板のラミネーションはクリアですからどんなカラーでも受け付けるカンバスですが、クリアだからこそ生まれるトーションパネルのちょっとスモーキーなカラーに反復させたような、グレーがかった淡いブルーティントのレジンパネル。
いつもいつも、トリスタンに任せた仕事は1本1本フレッシュな驚きを感じさせてくれますが、やっぱフランスお洒落だわなんて感想になっちゃうのは、富士ヤマ芸者・さむらいチョンマゲとか、カリフォルニアの青い空、くらい古典的だけど。
よくね、トリスタンともリッチとも話すんですが、サーフボードに施すカラーのような果てしない個体ごとの個性表現には、実はビルダーの生きてきた自然環境の中にある色、海の水や土や空や木々や緑の色の変遷とか、へたすりゃ目の色によって見えかた違うんじゃね〜のか、みたいな話題があるんです。
いや、たぶんその通りで、今や我々が山王ファクトリーで作り出すカラーのニュアンスやトリスタンのそれが、カリフォルニアのサーファー達からも欲しがってもらえるなんてことがあります。
カスタムオーダーでもストックでも、こうやって1本1本を1本だけの板に、ハートを込めてます。