
最近はこの話題に触れる機会があまり無かったのですが、ずいぶん以前にそのいきさつをお話ししたのを覚えている方もいると思います。
マンダラのマニー・カロはあまりトライフィン/スラスターを好んでいません。
マニーにとってその理由は、トライフィン/スラスターは2+1に対してスピードが劣ることです。
デザインとシェイプの良いものでフィンが良ければ、シングルフィンやシングルフィンをベースにする2+1はもっともスピーディーなフィンセットアップです。
トライフィン/スラスターはその生い立ちの理由からそもそもフィンによって大きめな抵抗を作ることで波のいろいろなポジションでのマニューバーを可能にしたデザインです。
ですからダウンザライン・スピードや、ターンそのものの回転スピードはシングルフィン系やよく出来たクアッドなどの方が速いのです。
ただしこれはサーフボードとフィンセットアップの持つキャラクターであって、単純に良し悪しをつけるものではありません。
マニーは彼のサーフデザインの中で、このトライフィン/スラスターの抵抗感の強いスピード性がいやで、ある時(確か8年くらい前じゃなかったかしら)、"もうトライフィンはやらない"ってことにしたわけです。
マニー君、とても楽しい板をデザインしますが、自分のコンセプトの純度にこだわる。
ですから悪くなければ何でもやるよ、っていうタイプじゃない。
その彼がなんで今またトライフィンを復活させることにしたのか?
実はエムズでも2年ほど前からトライフィン/スラスター系の板を私たちの板を好むみなさんに提案・提供してきています。
これは何を隠そうトライフィンに長いこと関心の無かった私自身が、ハテと思うところがあって私たちが楽しいと思えるようなトライフィンを試し始めたところから始まりました。
そしていくつか実験をして見た結果、クイーバーに加えるにふさわしいデザインがあること、それは私たちの板(世間じゃ、オルタナティブ・ボード、なんて言いますな)を好むサーファー達に一つのバラエティとして当たり前に歓迎されるはずだと確信しました。
その結果、エムズのラインにはPAVEL ELLAやOZ BLUE MACHINEが加わっています。
さて、マニーにはどんないきさつがあったのか?
彼の地元、それも毎日のサーフスポットであるBeaconsはこの冬、砂が無く地形が悪くてホントに波が悪い。
似たようなシチュエーション、私の地元でもよくあるから分かるんだが、そこがどんなボトムであれ地形と波がダメな時期ってのは沖が割れずに速いインサイドやショアブレイクがあるだけなんてことになりがちです。
つまりBeaconsのこの冬はそんな波ばっかり続いて、どうしたらこの波でも波乗り楽しめるのか考え直してみたそうな。
よく聞くような調子でなら、素早くテイクオフしてワンアクションやせいぜいツーアクション入れてクローズアウトみたいな波乗りだ。
そんな遊び方には、トライフィンが有効な選択肢の一つだってことを再発見したそうなんです。
ただし通常のトライフィンではなく、バックフィン/トレーラーフィンを小さめにした専用テンプレートが断然有効、と。
もちろん板そのもののデザインは普通のショートボードじゃ波のキャッチやフローに欠けるから、マンダラのいろいろなプラットフォームから"スーパースタビー"が最適と発見。
実はマニー君、波乗りがスタイリッシュで上手いのを知っている人も多いと思いますが、ガキの頃や若い頃はかなりマニューバー・オリエントなサーファーで、子供の頃はギンギンのスケーターでもあったのですよ。
ですから彼のメモリーと出自は技師なワケです。
それがフィッシュやハルなどに出会って以降、フローとスタイルのサーフィンに指向が変化したのです。
だから、今またトライフィンのチューニングを再開してもそのマニューバー性の検証はお手の物なんですな。
実際、日本にやってきてウチにいるときも、地元の波の良くない日だって一番目立つショートボード・マニューバーを見せたりしますから。
そんなわけで、どうやらMANDALAにトライフィン/スラスター系が加わることになりそうです。
すでにお話ししたように、マニーは独自のフィンテンプレートとそのプラットフォームを最適化してフィンポジションも特定することになるようです。
つまり本来は、クアッドとトライフィンではフォワードフィンのポジションやアングルは別なもの。
ですからトライフィンは専用のアングルとポジション、そしてボトムのコンツアーも最適化するという方向で開発中だそうです。
例によって、カスタムオーダーして開発に加わるよ、という方のオーダーはもちろん歓迎です。
















