昨日の山王、いろいろな話。
2017.02.10

   リッチは2つのスキル(#100、ね)をエムズにキープしています。時々シェイプのための道具の話をしますが、リッチはたくさんのツールを使うのでその仕度とエムズでキープしているスペースもかなりのものになっています。

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写真はシェイプルームの角っこのプレイナー台のところなんですが、床にも使い分けているロングフッとのままの#100が見えますでしょ。
台に乗っているのはフットを少し短くした#100。その横にあるのはリー・ニールセンのジャックプレーン・#62 というヤツです。

これ、つまり西洋カンナですけど、シェイパーさんはこういうのを使う人ばかりではないです。しかもサーフボード・シェイプにおいてはあまり使われない、けっこう大きいジャックプレーンなんです。
リッチは日本で使うリー・ニールセンのツールを東京のミライ・コーポレーションさんに出向いて買うことが多いんですが、このデカいヤツも先日行った時に購入しました。こちらはリー・ニールセンの日本の代理店さんです。
アメリカの製品なので地元で買えば、ってことになるんですが、こちらで使うものはこちらの代理店さんで買うことで日本という地元を尊重してリレーションを大事にしています。

日本シェイパーさんや、特に湘南界隈のサーフボード・ファクトリーが大変お世話になっている、"スキルのおやじ"こと鈴木さん。
鈴木さんはニックネームの通り、スキルに精通したエンジニアでもあり、実は世界中の著名シェイパー達が彼の元にスキル・プレイナーのオーバーホールやリペアを依頼します。
リッチは鈴木さんに仲良くしてもらっていますが、こちらに来ると挨拶を欠かしません。サーフボード作りに大変な貢献をしてくれている鈴木さんを表敬します。

で、行けば足りない道具やなんかを買うんですが、鈴木さんの多くのオリジナル・アイテムだけでなく他でも入手できるようなものも、できるだけ鈴木さんのところで買います。
これも地元とオリジネーターへのリスペクトの実行です。
こういうこと、口先じゃなくて行動の中に組み込まれていることが大事ですね。

ところで、#62 ジャックプレーンですが、先日入手した時にリッチは"すぐに使う作業があるわけじゃないんだけどね、買っちゃった"みたいなことを言ってたんですが、なんと昨日さっそくコイツが登場するシェイプに出くわしました。つまり、ビッグカットする場面ですな。

で、リッチと私は、おーあれ買ったのはなんかのサインだったな!、って話になったワケです。

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いつもの通り、仕掛けをほどこしたスペシャル・ブランクスをたくさん用意してシェイプが進んでいます。
オーダーいただいたみなさんの板に、デザイン・シェイプのためにブランクスから作っているんです。


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昨日のラミネートの部屋、いくつもあるラックの一つには作業途中のフィッシュが並びました。
フィッシュと言えば、FISHというタイトルのムービーがリリースされてたぶんDVDもそのうち販売されるでしょう。
FISHの復興が起きてから20年経ちますが、最近FISHに関心を持ったサーファーも多いでしょうからこのムービーはとても良いガイドになるでしょう。
すでにFISHに馴染んでいるサーファーにも、さらにその先の可能性を指し示してくれる映像集です。

その中でロブ・マチャドが言ってる一節が面白いんだけど、彼は"90年代は95%のサーファーが板の選択を間違っていたと思うよ"って話しています。
そのまさに90年代から今まで、私は同じことを言ってきたつもりですが、彼が後押しをしてくれる話をするなんて、なんてありがたいんでしょ。


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サンディングルームのラックにも、いつも何本かの板がスタンバイです。

小さなスペースに世界のベストなクオリティが詰まった山王ファクトリーで、主の健ちゃんは流れを確認しながら私に、"明日はさぁ、これ2本サンディングするでしょ。んで、両方片面仕上げ(レジン)でしょ。んで、あれこれあれこれ" って独り言みたいに言ってましたが、リッチのシェイプがだんだん上がってきたので工場の中が混んできたので流れを上手くコントロールしなくちゃいけません。

時々お話ししますが、山王では健ちゃん、本当にたくさんの手間をかけて1本の板を造ります。で、それは単に手数のことじゃなくて、いくつもある一つ一つのプロセスのクオリティを突き詰めます。
またそれは削り手のリッチにとっては、完璧なカタチの実現です。

誰もがこの考え方と手法ではありませんが、リッチの驚きの技。

たまに話すことなんですが、ちょいと考えてみてくださいね。
シェイプがどうこう、という話はよく聞こえてくると思いますがどんなに素晴らしいシェイプやデザインもグラスされて初めてサーフボード。

見て分かるかどうかはこっちに置いておいて、あのシェイプという作業とそこで出来るものは、すごく細密で微妙なもので数値としてもほんのわずかな何分の一ミリレベルの世界、ってのは誰でも知っています。

ところがそのシェイプを限りなく再現したグラスもあれば、肝心な細かいところが姿を無くしたり変わってしまうグラスも、あらゆるレベルとクオリティが存在します。
リッチと健ちゃんの一対一の関係では、リッチからすると健次がどう上げるかが分かっているからこそのカタチにシェイプする。健ちゃんからすると、リッチが削ったカタチをどう仕上げて欲しいのかを読み取って逆算して作業を組み立てる。

つまりそういうグラスワークと組むならシェイプも変えるし変わる、ということです。
モノによっちゃあ、そういうことだってあります。

彼らは言わなくても分かり合っていることが多いのですが、新しいデザインやパートが現れた時にはどちらからでもなく確認と打ち合わせが起きています。