


ここ2週間ずっと忙しい続きで波乗りさぼってて、昨日からやっと午前中の波乗りに復帰。
今日もやるべ、と思ったらO上人の"今日は出来ませんよ!"のジャッジで撃退されて、それならしばらく前から片付けようと思っていた物置へ。
そしたら端っこのそのまた奥に突っ込んである古いスノーボード達に目が行って、引っ張りだすことに。
埃だらけの30本ほどの板を1本づつ雑巾で拭いたら、元に戻すのもなんなんで、このまま店に持って行ってどこか端っこに並べとこう、なんてね。
比較的新しい板はけっこう前にほとんど捨てたのであんまり残してなくて、出てきたのは、まあビンテージなヤツがほとんど。
冷やかしの話で時々紹介しようかな、と思ってます。
で、今日はその1本目。
アバランチの、KICK145。
私的にはアバランチのメモリー後半に属する板で、長さのバリエーションがいくつかあった中の短いヤツでしたな、これは。
ソールなんて縮んじゃって剥がれかけとりますな。
これのリリース当時は(確か20年近く前、か?)スノーボードのデザインはすでにいろんなテックも進んでいて、ちょいと子供っぽいというか、独特のおちゃらけ路線が愉快である。
ただアバランチはスノボの歴史でも、ひとつとっても大事な役割をしたんである。
昔を知る人には懐かしい話、知らない人にはただの?、だが、頃はざっくり約30年前のスノーボード・シーン。
小さなシーンの中も西のシムス、東のバートン、みたいになっててライバル意識びんびん。
その頃の両者のコンストラクション(構造、ね)は、早い話がスケートボードの板とおんなじようなホライゾン・ラミネート、さらにつまりが薄い板材を積み重ねて厚板を造りプレスして立体造形するというもの。
ソイツの両脇にエッジを取り付けてソール(スキーと同じね)を貼る、と。
その頃はそんなのが普通に当たり前。
ところがシムスと同じ西はカリフォルニアでも、ちょいと北のレイク・タホから現れたアバランチはいきなりスキー・コンストラクション、こっちはバーティカル・ラミネート・コア。
こっちのつまりは、板のコアが細い木材を縦に並べて貼付ける式。
ソイツを表・裏からファイバーをラミネートしてボトムにスキーソールを貼り、デッキにデコするという造り。
同時にサイドカット(わずかだけど)・キャンバーなんていう機能デザインを持ち込んだものだから、さあたいへん。
それまでシムスとバートン(ほぼ。すごくローカルなら、他の存在もね)で意地張ってたもんがほれ、なんだかすごいのが出てきたってんで、注目(あくまで小さなシーンでね)。
だけどアバランチもやらかしちゃったもんで、最初のモデルはそういう進んだものだったのに、恐ろしく固かった。
ホントならキャンバーとサイドカットで板をたわませるからクリーンにカーブして曲がりやすいぞ、だったはずなのに固くて固くて、並みのスピードとライダーのパワーじゃカーブしない。
この最初のモデルはソールが緑色だったので、"グリーンモンスター"、なんちゃって呼ばれて恐れられました。
アバランチ、その創業者のサンダース兄弟、弟のダミアンの強烈なキャラクターとウルトラ・ハイスピードから繰り出すクレージーな飛びはやはりその後もしばらく一つの時代をつくったのはホント。
しかしかくして、アバランチのデビューはちょいとほろ苦い歴史の一コマね、と。
で、その後しばらくしてからスノーボード・シーンは長〜いバートン時代の幕開けということになるのだが、ところがどっこい実はそのバートンが支配を決めることになるモデルには元ネタがあったのさ、ちゅう話に続く。
ところで、アバランチが目を付けた、スキーのターンのメカニズムを具体的に実現するのは、その少しあとに現れる、GNUの出現待ちになるわけです。
